お下がりの洋服を着る落とし穴

 小さい頃は、誰かのお下がりの洋服をもらって着ていることってよくありますよね。 私も母になってよくわかりました。

子供はすぐに大きくなって服はサイズアウトしてしまうし、1シーズン着て、次の年は着られるかもわからないので、新品の服を買うのはもったいないと思いがちです。

兄弟がいれば当然のように上の子のお下がりを着ることになるし、友達やご近所の子のお下がりをもらうことだって結構あります。

服を捨てることも心が痛むので、誰かが使ってくれるなら積極的にあげたいと思う人も多いです。

 

でもある程度好みが出てきて、自分で洋服を選ぶような年齢になったら、おさがりに頼りすぎることをなるべく早く卒業した方が良いのだろうな、と今になって思います。

お下がりってどうしても「あるから着る」になりがちです。そこに自分の好みや、自分に似合うかどうかという判断基準はほとんど入りません。

私自身も、大学生位の年齢になるまで、おしゃれな親戚のおばさんからたくさん洋服を貰いました。服自体は確かにおしゃれで品質の良いものだし、大学生のお財布からは買うことはできないような、値段の高いものでした。

せっかくもらったし、もったいないからよく着ていました。

しかし!そこが落とし穴だと思うんですよ。

自分に似合う洋服がわかるようになるためには、自分でお金を出して似合うと思う好きな洋服を買って、実際に試してみる経験がある程度以上必要だと思うのです。

もちろん、自分で服を選んで買うと、失敗してしまった!!という事態も発生します。でも失敗から、なぜ失敗だったのかを考えて、学んで、次に活かしていくことの繰り返しが、おしゃれな人を作るのだと思うんです。

ビジネスで言う仮説と検証、PDCAサイクルを回すって言うやつです。

おしゃれになりたいなら、垢抜けたいなら、そういった経験値を積んでいくモードになるべく早く移った方が良い。そのためには、お下がりと言う存在が逃げ道になってしまいがちです。

人によって、サイズも色も形も、似合うものは異なります。

誰かが「あなたに似合いそう」と言って買ってプレゼントしてくれた服はいいのです。あなたに合うと思った理由があるから。

でもお下がりは「使ってくれる人」という条件が優先で、せいぜいサイズが(ある程度)合っているか、くらいしかチェック項目がありません。

 

とりあえず、良い服があるからこれでいいや。ピッタリ合っているわけではないけど、似たものを買うのももったいないし。

その思考が、自分で自分をおしゃれにするスキルからは遠ざかるんだろうなと思います。

 

RPGが最初は村の周りをうろちょろして、スライムのようなザコ敵と戦いながら、時にやられながらレベルを上げていくように、いろんな服を試して、試着をして、時には失敗して、買ったことを後悔したりしながら、トライ&エラーを重ねていくことが、結局自分で自分を綺麗にできるようになることへの近道だと思うのです。