無痛分娩体験記② ~いよいよ出産編~

いよいよ出産予定日、早朝から陣痛誘発用の薬を飲みました。

内診の結果、まだ子宮口の開き具合が足りないということで、ラミナリアという海藻でできたタンポンのようなものを、膣の中に入れます。これが水分を含むと膨れて、子宮口を押し広げてくれるんだそうです。

いよいよ陣痛がきた!麻酔スタート

LDRに移動して、陣痛を待ちます。10時ぐらいになって、いよいよこれ陣痛じゃない?というような痛みがやってきました。 「もう耐えられない痛みを10とすると、今いくつぐらい?」と聞かれ、若干やせ我慢しながら「3ぐらいでしょうか・・」と言うと、せっかくの無痛分娩だから麻酔スタートしましょう、とのこと。いよいよ無痛分娩スタートです。この時点で陣痛8分間隔。

麻酔をかけはじめると立ち上がれなくなるため、おしっこを取る管が繋がれます。昨日入れた背中の管を通じて、麻酔が入れられました。なんとなく足のあたりがじわじわと暖かい感じがしてきます。

だんだんと麻酔が効いてくると、さっきまでの痛みがひいていきました。ときどきお腹に違和感を感じるのでモニターを見ると、陣痛が来ているらしいということがわかります。すごい・・!

お腹のモニター、点滴の管、導尿の管、血圧計、背中の麻酔の管と、さまざまな管につながれ、気分はまるでまな板のコイ。ものすごく人工的に、自分ではもはや何も制御できないまま出産が進んでいきます。でも痛くない。余裕が出てきて、こんな状態ですが昼ご飯に出されたおむすびを完食しました。

もう産んじゃいましょうか

のんきなもので、ただベッドの上で時間をつぶしていると夕方になりました。すると先生が、「そろそろですね、子宮口全開になります」とおっしゃる。

えぇぇーもうそんな事態になっているのか!全然感覚がありません。ベッドが分娩台になりました。

看護婦さん「じゃあタイミング合わせて、いきんでみましょう」

・・・言われたとおりに力を入れてみましたが、なにぶん痛くないので、どうも真剣みに欠けます。これでいいのか??

3回ぐらい形だけいきんだところで、先生がひとこと。

「じゃあ、次で産んじゃいましょうか」

えぇ???!!もう?!

無痛分娩だといきむ力が弱くて、吸引分娩になる確率が高いというのは事前に説明を受けていました。このまま普通に行くと生まれるまで30分以上かかるけど、軽く吸引して、生まれてくるのを助けてあげることもできます。どうする?と聞かれました。赤ちゃんも大変だろうと思い、吸引をお願いしました。

 産まれたその瞬間は、正直あまり感覚はありませんでした。何かが一気に出てきた感覚とかあるかな、と思ったんですが、麻酔のせいかあまり感触はないんですね。赤ちゃんの泣き声がして、あぁ、生まれたんだ・・というのがわかりました。

私のお腹に乗せられた我が子は、私の顔を見てちょっと泣き止み、びっくりしたような顔をしました。手や足が本当に小さくて、でもちゃんと動いていて、自分の体の中から別の個体が出てきたことに、頭でわかってはいましたが改めてびっくりです。

無痛分娩ものすごく楽。次があるならまた無痛がいい

結果、ありがたくも私の場合は本当に楽なお産になりました。翌日麻酔が切れてきたら、後陣痛や会陰切開の傷の痛みや、貧血などがやってきて、あぁあんなに楽だったけど、体はやっぱり相当ダメージを受けていたのね・・としみじみしました。

妊娠中は無意識に出産がひとつのゴールのような気がしてましたが、今思えば当たり前だけど、出産は赤ちゃんとの生活の始まりなんですよね。しかも出産ダメージを引きづったままいきなり始まる未知との遭遇、昼夜なしの待ったなし!よく考えると今まで生まれたばかりの赤ちゃんを見る機会なんて実はほとんどなかったし、新生児のお世話というものがどういうものか、全然リアルに想像できてなかった。新しい毎日のために体力を温存できたことは、とてもありがたかったです。

無痛分娩体験記① ~病院選びと出産前夜編~

 誰かがネガティブキャンペーンでもやっているのか?というほど、一時期否定的な報道が多かった無痛分娩ですが、個人的には本当に楽だったし、選んでよかったです。痛くないし、出産後から待ったなしでスタートする赤ちゃんとの共同生活のためにも、体力を温存しておけてありがたかったです。もちろん報道されているようなリスクもあるのでしょうが、自然分娩でもリスクはあると割り切って、その中でいかに安心なお産にするか色々検討しました。

病院選びと出産予約は勝負どころ

 私は最初から無痛分娩ありきで病院を選んだのですが、まず事実として、無痛をしている病院は結構少ない。

 さらにそれらの病院を詳しく調べると、病院によって色々なタイプがあって、5時に麻酔科医が帰ってしまうので、分娩が5時以降に長引いた場合は麻酔を切ります、なんてところもありました。他にも麻酔の量の調整を妊婦が痛みに応じて自分でできます、なんてところもありました。そんな余裕絶対ない、プロにやってほしい!と思ったので、こちらもパス。目星をつけたらどんな方針なのか、きちんと調べておくのが重要です。さらに私の場合は、産婦人科が複数人いて、麻酔科医がいて、無痛分娩の処置数が多く、緊急時に対処ができるようなある程度規模のある病院を選びました。

 無痛分娩の受け入れ人数は当然限られているうえに、そういう病院は人気があるので、素早く申し込みをしなければいけません。申し込み前に事前説明を受けることが必須だったり、病院によって手順があるので、受付解禁日近くになって慌てないように、事前にちゃんと確認が必要です。

いよいよ入院!1日目は診察と事前処置です

 私が入院した病院は「硬膜外麻酔」という方式をとり、計画出産でした。つまりあらかじめ出産する日を決め、その前日に入院します。入院1日目、診察をしてから麻酔を入れるためのカテーテルの管を背中に入れました。診察台の上に丸まって背中に管をいれてもらうのですが、「絶対動かないでね!」と言われ、結構緊張しました。管を入れるために局所麻酔をしてくれるので、痛くはありません。それから子宮口を広げるために、風船のようなものを入れる処置もします。これは多少痛かったですね。点滴用のルートもとって、1日目の処置は終了です。

 

長くなるので続きはまた明日!